2012年2月2日木曜日

【レポート】Hope Moon Academy Orchestraの第3楽章

「HMAオーケストラ!第三楽章」
記念すべき2012年初のHMAオーケストラが、1月29日3時東京阿佐ヶ谷ヒメモスより開催されました。

さあ、今回のオーケストラで、我らがBOSS、望月先生が手始めにどんな前奏曲を展開していくのだろうか・・・と思ったら今回のオーケストラは望月先生不在とのお知らせが。残念・・・。

気を取り直してゲストスピーカーの演奏に耳を傾けながら、わいわいがやがや楽しく全員でセッションしました!

今回のテーマは「肉食と草食」。ゲストスピーカー3人(小池寿伴太郎さん/土屋有さん/田中茂幸さん)を中心として、十人十色の演奏が展開されました。草食、肉食についてどんなイメージを持っているか、ということからトークが展開されていきました。

「全体的に見て、日本は草食、海外は肉食のイメージがある」とゲストスピーカーの田中さん。日本と海外の集団思想の違いから生まれていて、日本では「出る杭は打たれる」、海外では「出ないと生き残れない」環境から、草食系、肉食系それぞれが生まれやすい環境にあると説きます。

「草食が無理に肉食になる必要はない。自分で本当にやりたいことを見つけたときに、草食になればよい」と土屋さん。肉食系を個人で動く人、草食系を集団の中で動く人として捉え、話を展開されました。肉食と草食の違いは、軸(やりたいことや目的)を持っているかどうかであって、どちらも必要な存在であることを主張されました。
「肉食と草食がいるなら、魚食系も存在するのではないか」と小池さん。釣り糸(やりたいことや目的)を垂らして待つ人も存在するのではないか、という新しい発想を展開されました。

また、ゲストスピーカー以外の参加者からも様々な意見が。
・やりたいことを持っている人が肉食なら、やりたいことを草食に提供して協力してもらう関係というのはすごく理想的ではないか
・加工されると変化する、「大豆」という考え方もあり
・草食と肉食だけでは、勝ち組と負け組を計ることはできない。世界中で、多様に○食系が存在する

などなど。

また、

肉食、草食の両関係についての話が展開されたとき、デザイナーは草食、ディレクターは肉食
                 ↓
望月ゼミに照らし合わせると望月先生は肉食、ゼミ生は草食になる

といった感じで、1つの話題を全員で膨らませて、新しい発想を生み出す、といった演奏の展開が、今回のHMAオーケストラでは目立っていました。

演奏終了後、興奮冷めやらぬまま、おいしいお食事を参加者全員でいただきました。そして最後に記念撮影。
最後に司会進行役の平野さんから一言。「HMAオーケストラは今まででありそうでなかった大人の知的な遊び場。10人いたら10人の考えがあり、それを議論という形ではなく、演奏という形で考えや発想を膨らましていくことのできる場所がHMAオーケストラです!」
まさしく今日のHMAオーケストラを印象づける名言を残し、HMAオーケストラ第三楽章は幕を閉じました。

世代を超えて行われる知の遊び、HMAオーケストラ。現役生の自分にとって、このような機会はなかなか得ることのできない貴重な時間です。新しい考え方、発想を全員で共有し合うことで、自分の視野を広げていけることが、HMAオーケストラの最大の魅力であると思います。
今回は望月先生が来られなくなってしまい、非常に残念でした。一体どんな話を展開される予定だったのでしょうか・・・。

HMAオーケストラもいよいよ折り返し地点となりました。ここで出会う様々な人々、様々な考え、発見を共有できる旅もいよいよ終盤に入ります。次回は3月11日、日本人にとって忘れてはならない日に行われます。ここでは一体どんな演奏が展開されていくのでしょうか・・・。新たな発見、出会いに心踊るばかりです。

(writter:Ryo-ta Shinagawa)

【HMAO第三楽章ゲストプロフィール】
・田中茂幸さん
高校卒業後11年間のカナダ滞在を経て2002年に帰国し、ロジスティクス会社に入社する。
ロジスティクスのプロを目指し、2007年から2009年まで多摩大学大学院で学ぶ。
現在はイギリス系ロジスティクス会社日本代表。

・小池寿伴太郎さん
ゼミ生6名の少数精鋭9期生。プレゼンは一人ずつだったので、チーム対抗プレゼンをする後輩達に嫉妬と憧れを感じます。
33歳、しがない議員秘書稼業。国の為人の為尽くす事が幸せです。(とでも言っておきます)今年は選挙かなぁ?

・土屋有さん(星野ゼミ)
多摩大学10期生。宮崎県出身。在学中にネット広告ベンチャーに参加し、休学中に取締役就任。
上場に合わせて大学を中退。その後、介護支援サービスの子会社設立。
子会社売却後、多摩大大学院に入学。現在は、鎌倉にてウェブ会社に勤務。

【レポート】Hope Moon Academy Orchestraの第2楽章

望月ゼミOB・OGによる学びの場、HopeMoonAcademy-Orchestraの第2楽章が、11月27日に開催されました。
場所は初回と同じく、東京阿佐ヶ谷 ヒメモス。

前奏曲の前に、望月ゼミにとって悲しいお知らせが舞い込みました。
予てより、代々の望月ゼミ生がお世話になり続けた山田剛義先生が11月25日午後に亡くなられました。
現役生にとっても、春学期のD-1でお会いしご講評を頂きました。個人的な話ではありますが、その日D-1を終え教室を歩いていたとき、ふっと顔を上げると目の前には山田先生がおられました。次の瞬間、満面の笑みで差し出された手を、思わず強く両手でしっかりと握り返したのを今でもよく覚えています。この人にまた会いたいと願う気持ちが真になるのには十分すぎる、力強さと魅力をこの一刻は含んでいました。今となっては、最初で最後の邂逅、この願いが叶う日は訪れません。しかし1度きりの一刻だったからこそ、あの手とあの笑顔を忘れることはありません。山田剛義先生の死を悼むばかりです。


さて、今回のテーマは「オタクとカリスマ」、壮大なテーマのもと望月先生による前奏曲が今回も始まります。
まず、「オタクとカリスマ」という2つの言葉は現代社会のあり方を照射した、キーワードであると述べます。
オタクと近しい言葉としてカウチポテトという言葉も存在します。カウチポテトに積極性はなく、オタクは熱を湛えています。この2つは似て非なるものです。
カリスマとヒーローは、これもまた似て非なるものです。
例えば、ヒトラーはカリスマ、スティーブ・ジョブズはヒーローだったかもしれません。
ヒーローは、ヒーローを目指す人々にとって憧れであり、自分を照射する鏡になり得ます。
カリスマは大衆を導く大きな力を持っていますが、時にはその存在が悲劇となることもあります。
今の時代はどちらの存在を求めているでしょうか。カリスマの登場を望む声もあるが、これはカリスマの登場を求めなければならない時代でもあると言えます。
そして、それは1人1人が自分の哲学を追い求められない時代だと語ります。

また、オタクとカリスマという2つの言葉は対極にあるようで、実は同根の物です。
両者は共に、「閉じる」というベクトルの上では同じです。
しかし、オタクは内側に閉ざされ、カリスマは外側に閉ざされていきます。
内に閉ざされたオタクからRubyという言語は生まれ、外に閉ざされたカリスマから人々を先導する力が生まれました。

最後に、現代は情報氾濫の時代、同じ情報に触れることで個が希釈するとも述べられました。
情報氾濫の中、孤独を保つ。天才と病気は紙一重、今こそニーチェの狂気の哲学、狂気が自己を守り、狂気への進化が鍵を握る。

オタクとカリスマは表層的以上に、内層的に見たとき様々な問題をはらんでいる。
と、前奏曲は締められ次のゲストトークへと渡されました。

今回のゲストトーク、スピーカーは4名の方々です。
司会の平野さんから、1人ずつ簡単な自己紹介をとふられます。

1人目は木下祐幸さん、トゥモローランドという会社で服の販売員を経験した後、現在ではメッツライフアリコにてコンサルタントを勤めています。
木下さんは、オタクもカリスマも自称するものではないのでは、と語りぜひ今日のトークを終えて自分がどちらなのかを見て欲しいと述べました。
因みに、前回の開催日に誕生日だったことを発表した木下さん。今回もなんと発表ネタを仕込まれてました。毎回何かしら発表しようとのことですので、気になる方は次回をお楽しみに…。

2人目は田中義直さん。
容器製造メーカーに勤めるる田中さんは「物を売っていく身として、必要なものはストーリーでありカリスマという存在は必要なくなっていくのではないか」、と述べられました。
また、「いい物を作れば売れるという時代ではない」と製造業の視点からカリスマ・オタクについてお話いただきました。

3人目は石川健太さん。
多摩大学3年生で野田ゼミ所属の大学生、コーヒーにハマりカフェを開店したり、海外での登山やバックパック旅行に出かけたり…と、多彩な経験を持つ行動派。
今回は縁あってスピーカーとして参加して頂きました。

4人目は柳生忠勝さん。小豆島でオリーブ栽培・オリーブの化粧品を販売製造しておられます。
オタク・カリスマについては、「カリスマの世間に見せる姿と間近で見る姿は違うのかなと思う。私はカリスマに合ったことがない。」と述べられました。

ゲストトークは今回も、参加者を巻き込みつつ進みます。
カリスマは必要か、必要でないかという話、オタクはMなのか、木下さんの狂気のコンサルタントっぷりが垣間見える一幕もありました。
様々な議論やトークが交された後、最後に望月先生は 「カリスマが必要か不要よりも、カリスマ不在時の社会をどうデザインしていくかが大事」 と仰られました。


早くも2回目にして壮大なテーマと対峙した、HMA-Orchestra 。
2ヶ月前に始まった知の旅路の中、今回新たな参加者の方にもお越しいただきました。
次回は1月29日、HMA-Orchestraの旅はまだまだ続きます。

(Writer:Hiroshi Kinoshita)